柔整令和8年度改定「8か月以上+9部位以上」をわかりやすく解説

こんにちは!
いつき総研の久保です。
今回は、「柔道整復療養費令和8年度改定」の中に含まれている
患者ごとの償還払いへの変更の項目として追加された
「令和9年1月以降において、前月までの連続する12か月の間に、
通算して8月以上かつ9部位以上について施術を受けている患者」
にフォーカスをあてて解説します!
この内容、弊社では今回の改定の中で一番ご質問が多く、
キーワードだけを見ると、「8か月以上で9部位以上だったら償還払いになるのでは?」と思ってしまいますよね。
あえて言います。安心してください!!
簡単に説明すると、
「償還払いの対象になる可能性がある」というニュアンスなので、
条件を満たしたからといって即時償還払いになるわけではありません。
とはいえ、最終的には保険者の判断となるため、
絶対に切り替わらないとは言い切れない点は補足しておきます。
それでは、具体的にご説明していきます。
まずは「患者ごとの償還払いへの変更」についておさらいしましょう。
第一章|患者ごとの償還払いへの変更とは?
「患者ごとの償還払いへの変更」は、令和4年度の改定で加えられました。
まず、受領委任の取扱規定文書を見てみましょう。
【引用】
保険者等が、患者ごとに施術の必要性を個々に確認する必要があると合
理的に認めた場合については、保険者等は、次に掲げる事項を実施するこ
とにより、当該患者に対する施術について受領委任の取扱いを中止し、当
該患者が保険者等に療養費を請求する取扱い(以下「償還払い」という。)
に変更することができること。なお、患者ごとに償還払いに変更した場合
に当該患者が保険者等に療養費を請求するときの申請書の様式は、様式第
5号の2とすること。
上記を分かりやすく説明すると、
保険者等は、条件を満たした場合に対象の患者を償還払いへ変更できる、という内容になります。
ただし、この後の規定も重要です。
【引用】
(1)保険者等は、被保険者及び被扶養者に対して、患者ごとの償還払い
への変更の対象となる患者類型等について予め周知すること。
(2) 保険者等は、以下に該当すると考えられる患者について、当該患者
及び当該患者に施術を行っている施術所の施術管理者に対して、償還
払い注意喚起通知(様式第9号及び第9号の2を標準とする。)を送付
すること。
ここでは、患者さんおよび施術管理者に対して、事前の周知や注意喚起通知を行うことが示されています。
つまり、
条件を満たしたらすぐに償還払いになるわけではなく、
注意喚起を行い、それでも改善が見られない場合に変更される。
という流れになります。
第二章|「8か月以上+9部位以上」とは?
改めて内容を確認します。
【令和9年1月以降において、前月までの連続する12か月の間に、通算して8月以上かつ9部位以上施術を受けている患者】
分かりやすく言うと、
「直近1年間で、8か月以上来院しており、 合計9部位以上の施術を受けている患者」
という意味になります。
この条件に該当した場合、
・償還払いに変更される可能性がある
・柔整審査委員会の審査において重点的に確認される
といった扱いになります。
そのため、請求内容によっては改善を求められる可能性もあります。
ただし、この条件に該当する患者さん自体は、実際の現場では珍しいわけではありません。
例えば、
・スポーツによるケガが多い方
・高齢で転倒や外傷が多い方
などが該当するケースも考えられます。
そのため、規定上も以下の対応が示されています。
【引用】※一部編集
償還払い注意喚起通知を送付した月の翌月以降に、同様の施術及び療養費の請求が行われ、なお該当すると考えられる場合は、事実関係を確認するため、当該患者に対し、文書等により、施術内容、回数、実際に施術を受けているか、外傷によるものなのか等の説明を求めること。なお、該当する患者については、保険者等は、文書だけによらず、電話又は面会により、当該患者に対し、施術内容、回数、実際に施術を受けているか、外傷によるものなのか等の説明を求めること。
つまり、
・なぜこの条件に該当しているのか
・施術内容や回数に問題がないか
について、患者へのヒアリングが行われる可能性があります。
そのため、どの部位に対して、どのような施術を行っているかを患者さんにしっかり説明しておくことが重要になります。
第三章|なぜこの条件が追加されたのか(考察)
今回、「8か月以上+9部位以上」が追加された理由ですが、
いわゆる「部位転がし」対策
と考えられます。
以前からこの問題については議論が行われており、今回の改定で「償還払いの対象」として整理された形です。
実際、検討委員会の議事録でも、不適切な請求への対応に関する発言が見られます。
この流れを踏まえると、今後はより一層、請求内容の適正性が求められると言えるでしょう。
第四章|対策について
制度の適用は令和9年1月からですが、判定は「直近12か月」で行われるため、
実質的には「令和8年1月からがカウント対象」となります。
そのため、
を日頃から把握しておくことが重要です。
また、対象となる可能性のある患者さんについては、施術内容の説明をしっかり行うことが重要です。
保険者からの照会があった際に、患者との認識にズレがあるとトラブルの原因になります。
最後に
今回の改定では、初検料や再検料の算定方法、明細書の内容変更など、他にも重要なポイントがあります。
最新情報やご質問については、
公式LINE「Feelガイド」にて配信しておりますので、ぜひご登録ください!
※「Feelガイド」では、整骨院名やお名前を伺った上で配信しております。ご協力お願い致します。
Feelガイドお友達追加リンク

最後までお読みいただきありがとうございました。
参考資料
「柔道整復師の施術に係る療養費について」の一部改正について(令和8年6月1日 保発0601第5号)
(参考)柔道整復師の施術に係る療養費について(平成22年5月24日 保発0524第2号)(改正反映版)
