「償還払い」とは?受領委任との違いをわかりやすく解説

こんにちは。
いつき総研のばーやんです。

整骨院で保険を取り扱っている先生であれば、一度は「償還払い」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

しかし、

受領委任との違いがよく分からない

どういうときに償還払いになるの?

自分の院には関係のない制度では?

このように感じている先生も少なくありません。
実際には、償還払いは療養費制度の中で以前から設けられている制度であり、保険請求を行ううえで知っておくべき重要な仕組みの一つです。

今回は、「償還払いとは何か」「なぜこの制度があるのか」「どのような場合に対象となるのか」を分かりやすく解説します。

目次

償還払いとは?

償還払いとは、
患者さんが施術料金をいったん全額支払い、その後、患者さん自身が保険者へ療養費を請求し、保険給付分の払い戻しを受ける制度です。

受領委任の場合

施術金額が5,000円の場合(負担割合3割)

  • 患者さんが窓口で支払う金額:1,500円
  • 整骨院が保険者へ請求する金額:3,500円

患者さんは自己負担分だけを支払えばよく、残りは整骨院が患者さんに代わって保険者へ請求します。

これが現在、多くの整骨院で利用されている「受領委任制度」です。

償還払いの場合

一方、償還払いでは流れが異なります。

  • 患者さんが窓口で5,000円を全額支払う
  • 患者さん自身が保険者へ療養費を申請する
  • 保険者の審査後、保険給付分が患者さんへ払い戻される

つまり、保険給付を受けるための申請を患者さん自身が行うという点が、受領委任との大きな違いです。

なぜ償還払いという制度があるの?

普段は受領委任で十分なのに、なぜ償還払いという制度があるの?

そう疑問に思う先生も多いでしょう。

実は、療養費制度では「償還払い」が本来の支給方法です。
健康保険法では、患者さんがいったん施術費用を全額支払い、その後、保険者へ療養費を申請して払い戻しを受ける「償還払い」が原則とされています。

しかし、この方法では患者さんの一時的な経済的負担が大きく、申請手続きの手間もかかります。

そこで、患者さんの利便性を高めるため、一定の要件を満たした施術所に限り、施術管理者が患者さんに代わって保険者へ療養費を請求できる「受領委任制度」が認められることとなりました。

つまり、先生方が日頃行っている受領委任による請求は、患者さんの負担軽減を目的とした特例的な制度なのです。

一方で、療養費は健康保険から支給される公的なお金であるため、適正に運用されなければなりません。

そのため保険者は、必要に応じて施術内容や負傷原因、療養費の支給要件などを確認することがあります。

このような場合には、患者さん自身が療養費を申請する「償還払い」によって個別に審査が行われることがあります。

つまり、償還払いは単に「患者さんが全額を支払う制度」ではなく、療養費制度の原則であると同時に、保険制度を適正に運用するための重要な仕組みでもあるのです。

柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて

どのような場合に償還払いの対象となるの?

受領委任制度を利用するには、一定の要件を満たす必要があります。

一方で、保険者が個別に確認が必要と判断した場合には、その患者さんについて償還払いによる請求を求めることがあります。

例えば…
  • 保険者が施術内容を詳しく確認する必要があると判断した場合
  • 患者照会などで事実確認が必要となった場合
  • 療養費の支給について個別審査を行う必要がある場合

などが挙げられます。

重要なのは、償還払いは院全体に適用される制度ではなく、患者さんごとに判断されるという点です。
また、保険者による確認の結果、受領委任での取扱いが継続される場合もあります。

日頃から意識したいポイント

償還払いについて過度に心配する必要はありません。
しかし、保険請求を行う以上、日頃から適正な運用を心掛けることは非常に重要です。

具体的には、

負傷原因を正確に聴取・記録する
カルテへ症状経過を適切に記載する
患者さんへ施術内容を分かりやすく説明する
保険請求のルールを正しく理解する

こうした基本を徹底することが、患者さんからの信頼につながり、適正な療養費請求にもつながります。

まとめ

償還払いとは、患者さんが施術料金をいったん全額支払い、その後、保険者へ療養費を申請して払い戻しを受ける制度です。

普段、多くの整骨院で利用されている受領委任制度とは異なり、患者さん自身が申請を行う点が大きな特徴です。

この制度は、療養費制度を適正に運用するために設けられており、保険者が必要と判断した場合に患者さんごとに適用されます。

制度を正しく理解しておくことは、日々の保険請求だけでなく、患者さんへの説明にも役立ちます。

保険制度への理解を深め、適正な療養費の運用を心掛けていきましょう。

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